早速ベルガモットをお求めいただきありがとうございます。
商品ページにも少し書きましたが、2024年のレシピは昨年の物から大きくは変えず、レモンだけで担っていた酸味をかぼすを加えることでより丸く、酸味に変化を加えた形で終わりました。
今回はそこにたどりつくまでに検討した素材の話をしたいと思います。
香りの構成は
・主役のベルガモット
・ボリュームのショウガ
・甘味のバニラ
・全体を引き締めるレモン
ここにもう一つアクセントとなる素材を加える。
もしくは甘味の方向性を変えることを考えました。
アクセントに関してコリアンダーリーフ、カカオニブ、アンダリマン山椒、黒文字、、、、など、合うのでは?というところから、兎に角手元にある素材を加える、といった形で様々試しました。
あまりしっくりくるものはなく、アクセントを加えるのは一旦取りやめにしました。
(結局この方向は初めてのコラボレーションボトルに使ったジャスミンで落ち着きました。こちらも販売予定ですのでもうしばらくお待ちいただければ幸いです)
もう一つ、「甘味の方向性」を変える。
こちらはしっかりと甘やかな香りを感じる素材である必要であるためバニラが担っていましたが、トンカビーンズを試すことにしました。
これにはクマリンという香り成分が含まれます。
桜の葉などにも含まれる成分なのでよく「桜餅の香り」と言われます。
この「クマリン」、バニラに含まれる「バニリン」にも似た芳香成分を含んでおりカスタードクリームなどお菓子を作る際にもよく使用される素材です。
実は今回のメインとなるベルガモットにも含まれている成分なのでこれは最高の素材では?と思い早速試作。
ベルガモットが鮮明に香り、そこにトンカビーンズのクマリンからくる桜餅様の香り。
そこから連想される和の印象でバニラの時とは違う奥深い物になると思っていました。
しかし完成したものはベルガモットの香りが沈んでいる。
想像していた鮮明さは無く、全体がかなりおとなしくどこか影を感じるようになりました。
同じ甘味を感じる素材でも上に乗る香りの広がり方が全く変わってしまう。
勉強になります。
落ち着いた印象より、上に上に上がっていくような香りが欲しかったので今回は陰を演出するトンカビーンズではなく、より鮮明にベルガモットを演出してくれるバニラを採用することにしました。
その後試行錯誤するうちに苦みが気になりかぼすを加え今の形に落ち着く。
このような流れを経て、今年のベルガモットができました。