製造所としての建物は無事に完成する。
それと並行して進めていたのが導入機器の選定。
もともとはバーテンダー。
製造業として勤めたことはなく、全くの独学でのスタート。
保健所であれこれ質問攻めにし、本を読みながらここまで来たので自分が必要とする機械がこの世にあるのかすらわからない状態であれこれと調べ始める。
機械の名前もメーカー名も全く手がかりすらないので検索も一苦労。
「醸造所」「蒸留所」は各地で誕生するが「清涼飲料水製造所」が新しくできました!というのはほぼ聞いたことがない。(小規模個人事業レベルで)
大体は現存の醸造所なり蒸留所が「シロップ」をつくったり大規模で工業的な製造所なので「教えてください!」という感じでもないしそういうことは性格的に全くできないのでこれが一番大変だったかもしれない。
新製造所を作るにあたり一番求めていたものは「搾る機械」
製造時にミキサーした生姜を煮出し、それを濾す作業がある。
これを目の細かい網を使い人力で濾していたが兎に角、労力と時間がかかる。
最初は一鍋(フルボトル30本分)を濾すのに2時間ほどかかっていた。
搾るだけで。
当時来てくれていた大学生のスタッフと夜な夜な作業した懐かしい思い出。
そこから様々な道具を試し、作業台の高さを変え、道具の配置をいじり、なんとかかんとかで一鍋30分でできるようになった。
これでも時間がかかりすぎているし、女性のスタッフには任せられないぐらい力が必要になる。
ここを機械化するのが一番の肝だったが調べようにも「搾る機械」ぐらいしか言葉が出てこない。
すぐに「搾汁機」にたどり着くがこれはどうもこちらが必要とする細かさで濾過液を得るこ
とができない。
頭がパンクしていたころ「固液分離機」という言葉を目にする。
なるほど。これが必要だとピンときた。
すぐに製造会社に連絡し試運転の依頼をする。
幸いなことにこれがあれば想像しているようなことができることがわかった。
完全にオーバースペックだが仕方がない。
数年後「この機械でも足りないね」と言えるように頑張ろう。
そんな固液分離機が先日無事納品されました。
使いすぎていた労力と時間をまた別のことに使い、より良いものを作るよう努めます。